宿便は腸管内壁にこびりついた古い食物残渣です
宿便は”腸管内壁にこびりついた古い便”というように考えることに異論もあるよ
うです。
実際、人間で、大腸の内視鏡検査を行っても、そんなこびりついたような便は、
見当たりません。食べた食餌は、腸管内をトコロテン式に食べた順番で押し出さ
れて、大便になるのではありません。
腸管内では、前に食べた食餌が、古い食物残渣として停滞したり逆流していると
ころに、後に食べた食餌が合流します。そうすると、特に、拡張した腸管内に、前
に食べた食餌がある程度の量、古い食物残渣として残ります。
これが、宿便の正体だと、思われます。
特に、上行結腸では、逆蠕動が起きるので、古い食物残渣が、宿便として溜まり
易いと考えられます。
古い食物残渣が腸管内で停滞すれば、ウェルシュ菌などにより発癌物質が生じ
る危険があります。
食べた肉のアミンは、腸管内でウエルシュ菌により、発癌作用のあるニトロソアミン
に、変化します。
また、脂肪分解のために分泌される胆汁酸が、ウエルシュ菌により二次胆汁酸に
変わり、腸粘膜を障害します。
大腸癌は、このウエルシュ菌により生成されるニトロソミン(主犯)が、二次胆汁
酸(共犯)により障害された腸粘膜を発癌させるのが原因と、考えられています。
便秘は、大腸癌の危険因子です。
また、古い食物残渣が腸管内で停滞し、腐敗して生じた有害な物質が体内に吸
収される危険があります。「宿便は万病のもと」と言われるのも、納得がいきます。
「宿便」を出すには、大腸の内視鏡検査の時に行う前処置のように、下剤と腸
洗浄剤で、下痢として出すのが、手っ取り早いと思われます。
少しわかりやすく整理してみましょう。
食物のかすは長い年月をかけて腸壁にこびりつき、宿便となってしまうのです。たとえて言うと煙突のススのような感じですね。
これはヘドロ状の便で、放っておくと排出されずたまっていきます。
原因は色々ありますが、近年の肉中心の食事や脂と糖類過多。カルシウム、繊維の不足。また運動不足という生活が、腸内の悪玉菌を繁殖させた結果、腸の動きが弱まり、善玉菌を追い出して宿便がたまりやすい体質になってしまったのです。
宿便は万病の元でもあります。
宿便が増えると、腸内で毒素が発生し、食べ物の消化吸収を妨げ、血液を汚し、結果としていろいろな病気を引き起こすからです。
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